重症心身障害児(者)施設の看護師の仕事内容、私が感じるやりがい

こんにちは、白ヤギです。

皆さん、重症心身障害児(者)をご存じですか?

小児看護実習で関わったよ、実際に障害者施設に実習に行ったよ、という方もいるかもしれません。

しかし、一般の方がご存じないのはもちろんのこと、看護師でさえもあまりよく知らない、という方が多いのではないでしょうか。

深く関われば関わるほど魅力が詰まっていて、極めるのが難しい、だからこそ一度知るとハマる人が多い領域です。

今日は、重症心身障害児(者)施設で実際に働いていた私が、仕事内容ややりがいについてお伝えしていきます!

熱量たっぷり、前のめりでお伝えします。

こんな方におすすめ

・重症心身障害児(者)に関わる仕事に興味があるので詳しく知りたい

・急性期の看護を卒業し、慢性期で働いてみたい

・基礎看護を極めたい

重症心身障害児(者)施設とは?

重症心身障害児(者)とは、重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している方のことです。

・重症心身障害児→18歳未満の児童

・重症心身障害者→18歳以上の大人

と分けられています。

しかし、重症心身障害児(者)の場合、同じ施設を利用することが多く、実際に私もどちらも看ていたため特に分けずに考えていこうと思います!

そして毎回カッコを入力するのは大変なので、重症心身障害児者とさせていただきます(笑)

重症心身障害児者施設は以下のように分けられます。

入所施設:長期または短期で入所し、日常的なケアや医療的なケアを受ける。

通所施設:日中リハビリやレクリエーション目的で施設を利用する。

両方の機能を併せ持つ施設も多く、私がいた施設もそうでした。

常勤看護師は病棟で夜勤ありの3交代勤務をするのが普通でしたので、私もそうでした。通所部門はパートさんしかいませんでしたね…。

重症心身障害児者看護の仕事内容(医療的ケア)

医療ケアのイメージ写真

重症心身障害児者は、脳性麻痺や染色体異常などの疾患に加え、てんかん発作や腸管の通過障害など、様々な疾患を併せ持ちながら生活されている方が多いため、たくさんのケアを必要とします

書き出すとたくさんあるように感じますが、長期入所者の場合、先輩看護師にゆっくりと何度も教えてもらいながら習得していくことが可能です。

・人工呼吸器を装着した利用者さんのケア

・胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養の管理と栄養剤注入

・排泄ケア(浣腸、ブジー、導尿、膀胱留置カテーテルの管理)

・点滴の管理

・気管カニューレの管理

・吸引

私のいた施設の場合、長期入所者に加え、レスパイト目的や在宅で生活されている方が体調を崩した際に数泊短期入所として利用していました。

そういった方々が必要とする医療的ケアは初めて実施するものや、久しぶりに行う技術も多く、そのたびに病棟で勉強会を開くなどして習得していきました。以下が必要なこともあった医療的ケアです。

・腹膜透析の管理

・膀胱ろうの管理

・義眼の管理

・インスリンの投与(血糖チェック)

などです。

重症心身障害児者看護の仕事内容(日常的なケア)

これぞ基礎看護!!看護の力をとても感じます。毎日基礎看護を追究していく楽しさは、施設ならではかもしれません。

単に着替えの介助といっても、一筋縄ではいきません。関節の拘縮や変形がある方もいるからです。利用者さんと対話をしながら(よく観察しながら)いかに気持ちよく着替えができるのか、そこを考えていくのが重症心身障害児者看護の魅力です。

・食事介助

・入浴介助(清拭、更衣なども含む)

・排泄ケア

・口腔ケア

・ベッドメイキング

・レクリエーション(散歩、タッチケアなど)

重症心身障害児者看護のやりがい

①愛すべき利用者さんたち・・・

もうほぼこれに尽きます(笑)。長年障害者看護に携わっている人はみんなそうなのではないかな?と思います。

長期入所の利用者さんは、在施設年数40年!という方もいらっしゃり、利用者さんと医療スタッフはまるで家族のように仲がいいです。

退職した今でも、あの方は元気かなーとか、よく思い出します。

②看護の力を感じることができる

自分の快不快を言葉で表現するのが難しい利用者さんたちは、表情やバイタルサインでそれらを伝えてくれます。

しっかりと観察し、客観的情報からいかにその人をアセスメントできるのか。

どうしたら不快を取り除いて差し上げられるのか、そこが看護師の腕の見せどころです。

③緊急入院がほぼなく、急変などもほとんどないため残業が少ない

「全くない」と言い切れないのが苦しいところです。

急変はともかく、緊急入院は3年間で2回ほどです。普通の病院じゃありえない数字です。

土日は検査などもないため、早く17:15にならないかなーと時計とにらめっこしてるなんてことも…(笑)

以上が私の感じる重症心身障害児者看護のやりがいです!

重症心身障害児者看護のここがツライ!

①体力勝負

全介助の利用者さんが基本なので、おむつ交換や体位変換は3交代勤務全てで最低でも2回ずつあります。

特に深夜勤の最後のおむつ交換はつらかったなぁと今でも思い出します。

常に肩こりや腰痛に悩ませれていました

ベッドから車椅子への移動や、入浴介助もかなりきつかったですね。

②達成感や仕事の区切りを感じにくい

長期入所者は基本的に「退院」という概念がありません

短期入所者の場合でも、レスパイト目的の人がほとんどのため、「元気になったね!退院おめでとう!」という感覚は得られません。「またね~!」って感じです(笑)

一見すると何年も日々同じ毎日の繰り返しのように感じてしまうこともあるかなと思います。

もちろん成長や加齢で日々利用者さんも変化しているので、それに合わせて看護が変わってくるんだと思いますけどね。

以上が重症心身障害児者看護のここがツライ!という点でした。

ちなみに私が退職したのは①の体力の問題でした。

夜勤が身体に合わなかったこともあり、身体も心もボロボロになり辞めざるを得ませんでした…。

まとめ

いかがだったでしょうか?

自他ともに認める重症心身障害児者好きなので(笑)、愛を感じていただけたら幸いです

もっともっと、重症心身障害児者のことを知ってほしい!携わる人が増えてほしい!!

そんな思いで熱く語らせていただきました。

一人でも多くの方が興味を持っていただけたら嬉しいです。