保健室を安心できる場所に。~来室者との人間関係づくり~

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こんにちは、白ヤギです。

みなさんの保健室は、どのように来室者とお話をしていますか?

学校によって、保健室の雰囲気って様々ですよね。

日々様々な来室者と話していく中で「あれ、なんか話がかみ合ってない?」「もっと話したいことは別のことだったんじゃないかなー」なんて思うこと、ありませんか?

私はよくありました!

今日は、そんな経験がある方に向けて、来室者とのいい関係づくりについてお伝えさせていただきます。

目次

養護教諭と生徒にも、相性はある

養護教諭だって人間ですもの。生徒との相性はあります。

合わない相手と無理に親密な関わりを求めるのは、とても疲れます。そして、相手だって本当は疲れているかもしれません。

「この子、私と話すことを拒否しているな」

と感じたり、色々とコミュニケーションを試みて、お互いに疲弊するだけといった場合は無理をせず過度な関わりを持つのはあきらめましょう

そして、その子が誰なら相談できそうなのかを一緒に話し合って探し、誰かには相談できるような支援をすると良いと思います。


私の場合、養護教諭として働いていた期間の全てが複数配置でした。

そして、計4人の方とペアを組んでいましたが、それぞれ自分とは個性の異なる教諭(それはもう、個性豊かな笑)の方々でした。

例えば、とある1校では私は当時20代、ペアの方は50代でした。

私はどちらかといえば人見知りで静かなタイプ。対してペアの方はとにかく明るくてムードメーカー、そこにいるだけで周りがパッと明るくなるような方でした。

そんな二人が運営する保健室ですから、子どもたちはすぐに二人の個性を理解してくれ、自然と話す機会の多い子どもは自分の個性に合ったタイプの子たちでした。

特にお互い「こういうタイプの子はどちらが担当しようね」などと打ち合わせをしたことはありませんでしたが、やはり人は自然と自分と相性のいい人を見分けることができて、たとえ子どもであっても人を選んで相談するのだなぁとその時思いました。

タイプの違う教諭が複数在籍することのメリットを強く感じた瞬間でした。

会った瞬間に、相手のいいところを見つける

そうは言っても、一人配置の方が多いと思いますので、ここからは私が実践していた相手との距離を縮める方法をお伝えします。

「会った瞬間に、相手のいいところを見つける」

大規模校だと、保健室で初めて会うという生徒も多いと思います。

私も大学の保健室にいたときは日々初めましてさんばかりで大変でした。

そんな中でも相手は何かを話したくて、相談したくて来室してくれる。

自分も緊張しますが、相手はもっと緊張しています。

そんな中、お互いの空気をふわっと変えてくれるのが「相手を少し褒める」ということです。

”ちょっと褒め”の例

・「スカートかわいいね」

・「いいカバンだね!」

・「わかりやすい説明だね」

・「暑いのによく来たね」

・「先生保健室でヒマしてたから、来てくれてうれしいよ~!」

といったようなことです。

大切なことは嘘はつかない」「さらっと褒めるということです。

思ってもないことを言えば相手も不信感を得ますし、いきなり大げさに褒められても困ってしまいます。

お互い緊張した空気を温める一言を、ぜひかけられるといいですね。

雑談も大切なコミュニケーション

初めましての子はもちろん、よく知っている子だとしても、会っていきなり深刻な話をするのは難しいですよね。

そんなときは、雑談から入ります。

私は齋藤孝さんの『雑談力が上がる話し方――30秒でうちとける会話のルール』という本が大好きでいつも参考にしているのですが、この中にも「雑談の大切さ」が書かれています。

「雑談ってなに?」と思う方にはぜひ読んでいただきたいです。


実際、私が雑談の大切さを体感したエピソードがあります。

雑談も大切

大学の保健室に、ある一人の女子学生(Aさん)が来室しました。

その子と会うのは2回目でしたが、そんなに深刻な悩みを聞いた覚えもなく、ほとんど記憶に残っていない子でした。

「どうしたの?」と聞くと

お腹が痛い」と。

その後いつも通り問診等をするも原因も特にわからず、しかも腹痛が深刻そうな感じでもありません。

不安や緊張かな?と思い、Aさんと少し話してみることにしました。

15分ほど、授業やバイトの話などしているうちに徐々に打ち解けていき、私がたまたま

Aさんは彼氏とかいるの?」と聞いた時でした。

「実は・・・」といってカバンからスケジュール帳を出すAさん。

その瞬間、全てを悟りました。

Aさんは妊娠の可能性があったのです。

その後、Aさんの話を聞き、不安なことなどを聞き取りしていきました。

おそらくAさんも、保健室で妊娠の可能性があることを話すかとても悩んだのだと思います。

悩みながら来室し、たまたま私が「彼氏」というワードを出したからこそ、悩みを話すことができたのかと考えています。

このエピソードは少し重い内容でしたが、日常の会話でも相手の心が動く瞬間と言いますか「あ、この話題なら話したい!」というキーワードがふいに出てきた後、相手が水を得た魚のように話し始めるということがあります。

それはペットの話かもしれませんし、大人の方(子どものいる方なら子どもの話かもしれません。

色々と書きましたが、齋藤孝さんも「雑談は中身がないことに意味がある」とおっしゃっていますので、軽い気持ちで天気や相手の近況などを聞いてみてください。

(ちなみにAさんは実際には妊娠していませんでした!)

とにかく顔を売る!

最後はこれにつきます!知らない人より知っている人の方がいいですよね。

自分を知ってもらうために、朝や昼など、どんどん校内を歩きましょう。

休み時間は終わりかけに人がたくさん来ることが多かったので、始まってすぐは校庭に出て一緒に遊んだりもしていました。

保健室の先生が一緒に遊ぶと、とっても喜んでくれますよ。

顔を覚えてもらって、来室しやすい環境を作るといいと思います。

4月の保健だよりには、養護教諭の顔写真を載せるということもしていました。ぜひ参考にしていただければと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

養護教諭という性質上、全校生徒と話すことは中々ありません。

その中でも来室してきてくれる子たちのために、いかに話しやすい雰囲気を作るか、ということに特化して記事を書きました。

何か一つでも、みなさんの参考になれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

元看護師であり、私立の小中高、大学の保健室で勤務していた元保健室の先生です。仕事と育児の両立に悩む2児の母でもあります。
何かありましたらInstagram、またはお問い合わせからご連絡ください。

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